SphinxとMatplotlibでお手軽にレポートを書こう

Matplotlibでグラフを作る方法を何度か紹介してきましたが、今回は、それをSphinx文書中に埋め込む方法をちょろっと書きます。


WindowsPython 3.3+Matplotlib 1.4.0 という少々微妙な構成でやっています。
この構成だと、リファレンス通りにやってもエラーが出て動きません。

結論から言うと、

pip install ipython

でIPythonをインストールして
sys.path.append(os.path.abspath('sphinxext'))
extensions += [
'matplotlib.sphinxext.mathmpl',
'matplotlib.sphinxext.only_directives',
'matplotlib.sphinxext.plot_directive',
'IPython.sphinxext.ipython_directive',
'IPython.sphinxext.ipython_console_highlighting']
のようにconf.pyに追記すればいいのです。
こうすれば、

インラインで。 :math:`(a + b)^2 = a^2 + 2ab + b^2` とか

ブロックで

.. math::

(a + b)^2 $=$ (a + b)(a + b)

あと、ちょっとかっこいいので

.. math::

\int_{-\infty}^{\infty} \lim_{n\to\infty}\sum_{i=0}^{n} \frac{\sin(ix)}{x} dx


.. plot::

from pylab import *
x=arange(0,10,0.1)
y=sin(x)
title(u"さいんかーぶだお")
plot(x,y,"-")
show()
みたいなことを書いて文書をビルドして、トップ画像のようなページができます。
「お、思ったより書く量が少ないぞ?!」って思いません?
ちょっと文法に癖はありますが、覚えてしまうと図もプログラムコードをそのまま埋め込んで書けますし、なによりWindowsじゃなくてLinuxでもMacでも動くのでMS Officeの心配しなくてもよいのです。
最初の1回はビルドするための環境構築が若干面倒ですが、それを乗り越えればAndroid端末ででもSONY VAIO Pみたいな超非力マシンでもメモだけはとれるので、かなり有用だと思います。

jsmathとかを使ったほうが .. math:: の処理はいろいろできるっぽいんですが、
  • ・いかんせん動作が重い
  • ・httpサーバを立ててファイルをおかないと(ローカルHTMLファイルを開くだけでは)数式が表示できない
という理由(とくに2点目が致命的)で却下・・・。


あ、最後に、どんなエラーに悩まされるか、少しだけ書いておきます。
リファレンスによると、conf.pyには
sys.path.append(os.path.abspath('sphinxext'))
extensions += [
'matplotlib.sphinxext.mathmpl',
'matplotlib.sphinxext.only_directives',
'matplotlib.sphinxext.plot_directive',
'matplotlib.sphinxext.ipython_directive',
'sphinx.ext.autodoc',
'sphinx.ext.doctest',
'ipython_console_highlighting',
'inheritance_diagram',
'numpydoc']
と追記してやれば動くように書いてますが、時代は進んでそうはいかず、
ビルド時にIPythonを使えと言われます。
C:\Users\yi01\Desktop\sphinx\example>make html
Running Sphinx v1.2.3
C:\Python33\lib\site-packages\matplotlib\cbook.py:133: MatplotlibDeprecationWarning:
The Sphinx extension ipython_console_highlighting has moved from
matplotlib to IPython, and its use in matplotlib is deprecated.
Change your import from 'matplotlib.sphinxext.ipython_directive' to
'IPython.sphinxext.ipython_directive.
warnings.warn(message, mplDeprecation, stacklevel=1)

Extension error:
Could not import extension matplotlib.sphinxext.ipython_directive (exception: Unable to import the necessary objects from IPython. You may need to install or upgrade your IPython installation.)
んで、ipythonを入れて、なんとなくextensionsの中身をmatpltlibからipythonに変えても、いろいろまだいわれます。
継承図をかくためにinheritance_diagramをインポートしないといけないんですが、それがインストールされていない、とかそういう系の。

継承図はわざわざMatplotLibを使って書かないと思うので、外して、最初の方に書いた結論に至りました。


おわり。

中国のグレート・ファイアウォールをすり抜ける方法をいくつか

VPNで家のルータにつなぐ


家のルータがVPNに対応しているなら、この方法が一番楽です。
プロトコルの制限とかもとくにないし、プロキシと違って、各アプリ側で設定が必要となることもほぼありません。

ただ、相性の問題で、ブチブチ切れることがあるので、そういう場合は②の方法を試しましょう。

SSHプロキシで1080番ポートをフォワードして、SOCKSプロキシ


家のルータがVPN非対応の場合とか、対応していても不安定の場合はこっちの方法を使います。

ssh -D 1080 xxx.hogehoge.com -N
あとは、ネットワークの設定でSOCKSプロキシを「localhost:1080」に設定します。

VPSは有料契約が必要ですが、持っている人ならこれを利用するのがいいです。
VPNに比べて速度がでます。
ただ、①とは逆に、アプリごとにプロキシ設定もってたりするとちょっと厄介です。


で、結局、PCはなんとでもなるのですが、
Androidスマートフォン使っていると、GooglePlayもGmailもハングアウトもGoogle検索もTwitterFacebookもブロックされているので、かなり困ります。
SOCKSなんてAndroidでは使えませんし、VPNはセキュリティロック掛けないとダメとかで、色々面倒です。

で、私は結局どうやっているかというと、Macの「インターネット共有」を利用して、①で接続したルートをWifiで飛ばしてます。
これで意外にもスマートフォンからGooglePlayつながりますし、メールやTwitterもできました。

ふぅ、これで発狂を免れた。

PythonのCairoでSVGをつくる

最近、Android用のキーボードの開発をやってます。

0からつくるわけにはいかんので、Mozc for Androidってのを使ってるんですが、
こことかにも書かれてるみたいに、Mozcにはキートップの画像が含まれていません。
(正確に言うと、画像はありますが無刻印キーボード的な画像が含まれています)



なので、ビルドするとこんなかんじになります。


キーボードの配列を覚える練習にはなるかもしれませんが、実用的ではないですね。


そんなMozcを↑のようにしたいわけですが、
ここのページで公開されてるキートップ画像では[t][y][u]の上下が微妙にずれていて、若干気持ちが悪いです。そこで、キートップ画像の自作をすることにしました。


ただ、社会人が片手間にやるには、InkScapeでチマチマと作る時間がありません。
そんなわけで、Pythonで一気に作っちゃいました、ってのが今回のお話。


さて、前置きが長くなりました。まずは
https://gist.github.com/yi01/1fe1bffabdc583c09de6
にコードは公開しちゃいます。間違いを発見した方は指摘ください。(笑)


で、あまり世の中には書かれていない?話をちょっとだけ書いておくと

・Mozcのキートップ画像の要件
キートップ用のSVGなんですが、textタグは使えません。pathタグで書く必要があります。
なので、Pythonだと、svgwriteとかは使えなくて、唯一の選択肢がcairoです。

<svg>に、id="style-keyicon-main"が指定されている必要があります。これがないと、スキンを暗い色にした時に、キートップの文字が白抜きにならない不具合が発生します。

QWERTYのキー画像サイズは48x74ピクセルです。cairoはptを単位系として使っているようなので、座標系を変換しなければなりません。
でも、変換がめんどくさすぎたので、今回は成果物のxmlからptの単位がついてるものを表示しなくしてみました、それにより、意図したサイズの画像が得られます。


・Cairoの文字描画
座標系がちょっと特殊(?)です。
xBearing, yBearing, width, height, xAdvance, yAdvance = context.text_extents(text)
で文字の描画位置やサイズが取得できるわけですが、座標系が下向きY軸正方向のものなので、直感とは逆になります。

で、もうひとつ注意点としては、そのへんのサンプルにある(xBearing+width/2, yBearing+height/2)という座標は、文字領域のど真ん中(赤色の四角の重心)であって、全体的な文章のラインの中心とは異なります。これが、冒頭に書いた「ずれていて若干気持ち悪い」ということです。

↑で、赤枠ベースでの配置だと上下して見えますよね。

じゃあ、どうすればいいのか、っていうのが青枠ベースの配置。

どうやら、フォントサイズと文字のラインの高さには3/4の関係があるみたいなので
↑にあるように、64ptのフォント指定の場合は、24px(=フォントサイズの3/8)だけ下に移動してやることで、行の中心をとらえた描画となるのです。




おまけ

E/MessageQueue-JNI(31310): java.lang.IllegalArgumentException: Duplicataed sourceId is found: Binary XML file line #1710
E/MessageQueue-JNI(31310): at org.mozc.android.inputmethod.japanese.keyboard.KeyboardParser.parseKeyEntity(KeyboardParser.java:772)

みたいなエラーになった時のチェック用スクリプト

grep -r ":sourceId" kbd_*.xml | awk '{a[$2]+=1};END{for(k in a){if(a[k]>1){print k,a[k]}}}'