Lionが肌に合わずSnowLeopardに戻した人の独り言


先日、MacOS X Lionがリリースされた。
あの日は早めに会社を出て、渋谷の林檎屋に行ってみたりもしたくらい、Lionを楽しみにしていた。
ただ、いざ使ってみると悪いところ尽くし(しかも2600円!)だったので、SnowLeopardに戻しました。という愚行の記録です。

世の中にはリンゴ教徒なレビュアが多すぎます。彼らは無条件にリンゴの決断を受け入れ、崇拝し、布教活動をしていますが、私としてはあまり感心できません。
ちゃんとユースケースを見極めた上でレビューしてください。

マルチタッチジェスチャー


タッチパッドのパターンが多彩です。いや、多彩すぎます。
何本指でどっち向きに動かすと何が起こるか、というのをいちいち考えなければ使えないレベルです。
また、一方で3本指の戻る/進むジェスチャが消滅しました。
必要なモノがなくなって、いらないものが増えました。
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フルスクリーンアプリケーション


画面いっぱいにアプリケーションの領域が広がります。邪魔です。
アプリをフルスクリーンにするたびに、ワークスペースがひとつ増えます。
ゆえに、後述するMission Controlのサムネイルが小さくなり、一覧性がさらに悪くなります。

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Mission Control


ExposéとSpacesが融合しました。出来上がったのは、両機能の良さを打ち消しあったシロモノでした。
アプリのサムネイルはより小さくなり、一覧性は悪くなりました。
ワークスペース間のアプリの移動も、できなくなりました。
ワークスペースはひたすら横に増殖するだけになりました。
Exposé・Spacesに比べて、動作が重くなりました。MC505J/Aではカクカクします。スピード感がありません。
Lionの新機能で最も著しい退化です。
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Launchpad


アプリケーションを一覧して実行できます。
似たようなアイコンがいっぱい並んでいて、探すのが大変です。
PCの場合、日常的に使うアプリは限られています。Dockで十分ではないでしょうか。

(アプリのアンインストールはしやすくなったかも)
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再開


シャットダウン直前の状態を、再起動後に復元することができます。
それゆえ、シャットダウン・起動時間が長くなりました。
デスクトップPCにはうれしいかもしれませんが、MacBookAirでは不要です。

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といった感じで、表向きの機能はたいてい、不要な進化 or 退化です。

唯一「よくなった!」と賞賛できるのは



Spotlight


検索対象が広がりました。非常に賢くなりました!
動作も軽快になりました。検索結果のドラッグアンドドロップもできるようになりました。

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あ、あと、下の方に小さくしか紹介されていませんが


  サイズ変更をどこからでも

ウインドウのサイズを、上下左右、どこからでも変更できるようになりました。

これ、地味に結構重要です。とくにWindows使い慣れてた人にとっては。
SnowLeopardまでは、サイズ変更のたびに右下までカーソルをもっていかないといけなかったので。

といった感じでしょうか。
興味本位でためしてみるのはありですが、(少なくとも、これまでSnowLeopardのSpacesをそれなりに使い込んでた人が)ずっと使い続けるにはかなりの不満が残ります。

そんなわけで、私はLionをやめてSnowLeopardに戻しました。
やはりSpacesとExposéは偉大です。
また、失ってみて初めて分かる、3本指の戻る・進むの大切さ。

WindowsVistaが派手になった時とか、MS Officeのリボンインターフェースが出た時とか、もっと非難轟々だったような気がするのに、それと同レベルなことをやっているLionはそれほど叩かれていませんね。
多くの人にとっては意外と使いやすい進化なのでしょうか。